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折れ大根

むかし、池袋村は雑司ヶ谷村より高台に位置するために川が無くかわりに池が多くありました。葦原が広がり鳥たちも大勢集まってきます。池を埋め立てたところには大きな畑ができ見晴らしがいいので、野鳥の格好の狩場でした。これは将軍吉宗公が鼠山(ねずやま)へ鷹狩りにでかけていく道中でのお話です。馬上から周りの畑をながめていた吉宗公は、家来に「畑へ入って大根を折るでないぞ、作物にふれるでないぞ、わしを追ってこずともよい、みなにもそう伝えよ」というといきなり馬にムチをいれ、畑の中を走りだしました。家来たちがあっけにとられていると、大根をけちらし、広い畑をジグザグにかけぬけ、まるで乗馬の練習をしているかと思えるほどでした。戻ってくると、家来を呼び「名主を呼んでまいれ」と命じて馬をおり、運ばれた床几(しょうぎ)に腰をおろすと大きく肩で息をつきました。 やがて、身なりを整えあたふたとやってきた名主は、おそれいって地にひれ伏しました。 公方(くぼう)様によばれるなど始めてのことです。 どんなご沙汰があるのかおそろしさで身をかたくして待ちました。 家来は「もそっと前へ、声の届くほどに」 と、まねきましたが、名主はいよいよ小さくなってひれ伏すばかりです。 「そう、かたくならずともよい」 名主は公方さまのやさしい言葉につられ、かすれた声でやっと「は、はい」 と返事をしました。 「大根をいかほど折ったか数えよ。一本につき一文(いちもん)、百本では百文の代価をとらす」 「は、はい、ありがたいことでございます」夢かとも思える嬉しいお話に名主はほっとして体中の力がぬけていきました。「日照り続きでさぞ大変であろうのう」 言い残して、吉宗公は馬上の人になりました。 将軍の鷹狩りは、江戸町民のようすや田畑のできぐあいを知るよい機会です。 名君と誉れ高い吉宗公ですからこのあたりの作物や大根畑を見て、農家を助けようとわざと畑の中をジグザグに馬を走らせたのでした。村人一同、このありがたいお心に感謝し、その馬で通ったあとを「御成り七曲り」とよびました。この道は有り難い気持ちを代々忘れないようにと残し、今まで以上に畑仕事に励みました。この物語の場所が池袋村の当時の古地図に記載されています。現在その場所は池袋平和通り商店街をすこし南に下った繁華街の位置にありました。
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プロフィール

ピース君

Author:ピース君
池袋平和通り商店街で、「ナミアゲハ蝶とトンボを育てて飛ばそう!」の活動や江戸時代池袋村の中心であった商店街の歴史調査報告の様子をお知らせします。
主に活動内容や地域の情報を綴ります。
興味のある方は、ちょっと立ち寄ってのぞいて見てください。

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